レンタルWiFiでも、パソコンやスマートフォンからVPNサービスや会社のVPNへ接続できる場合が多いです。ただし、レンタルWiFiの通信回線や端末がVPNの通信方式に対応していない場合は、接続できなかったり、接続が不安定になったりします。
特に、外部から自宅や社内ネットワークへ接続する「受け側のVPN」と、端末からVPNサーバーへ接続する「出ていくVPN」は、可否が異なります。
レンタルWiFiでVPN接続できるケース
レンタルWiFiに接続した端末から、VPNサービスや会社のVPNサーバーへ接続する使い方であれば、通常は利用できます。VPN接続では、端末からインターネット上のVPNサーバーへ通信を開始するためです。
たとえば、次のような用途が該当します。
- VPNサービスを使って通信経路を暗号化する
- 会社が用意したVPNに接続して社内システムを利用する
- 自宅に設置したVPNサーバーへ外出先から接続する
ただし、レンタルWiFiがVPN通信を制限している場合や、VPN側が特定の回線からの接続を拒否している場合は利用できません。
レンタルWiFiでは接続しにくいVPNの使い方
外部からレンタルWiFi端末へ接続する使い方は、一般に難しいです。レンタルWiFiでは、端末にグローバルIPアドレスが割り当てられず、通信事業者の共有IPアドレスを経由することが多いためです。
この場合、インターネット側からレンタルWiFi端末を直接指定して接続することができません。次のような構成は、通常のレンタルWiFiでは実現できない、または追加設定が必要です。
- 外部からレンタルWiFiルーターへVPN接続する
- レンタルWiFiの回線を使ってサーバーを公開する
- レンタルWiFiルーターをVPNサーバーとして動作させる
つまり、判断の目安は端末からVPNサーバーへ接続するのか、外部からレンタルWiFi側へ接続するのかです。前者は利用できる可能性が高く、後者は制限されやすくなります。
VPN接続の可否を左右する条件
レンタルWiFiの利用規約
まず、レンタルWiFiの利用規約でVPN通信に関する制限を確認します。「VPN」「プロトコル」「ポート制限」「サーバー公開」「通信制限」などの項目が手がかりになります。
規約にVPNの記載がない場合でも、利用できると断定はできません。回線の種類や通信事業者の設定によって、VPNの方式ごとに接続できるかどうかが変わるためです。
VPNの通信方式
VPNには、WireGuard、OpenVPN、IKEv2、L2TP/IPsecなど複数の方式があります。レンタルWiFi側で特定のポートや通信方式が制限されていると、一部のVPNだけ接続できないことがあります。
たとえば、VPNアプリで接続先やプロトコルを変更できる場合は、接続できないときに別の方式を試せることがあります。ただし、会社のVPNでは管理者が方式を指定していることがあるため、勝手に設定を変更せず、管理者へ確認してください。
レンタルWiFiの電波状態と速度
VPNは通信内容を暗号化するため、VPNを使わない場合と比べて通信速度や応答速度が変わることがあります。レンタルWiFiの電波が弱い場所や、利用者が集中する時間帯では、VPN接続が切れやすくなる場合があります。
接続できても、ビデオ会議、社内システム、リモートデスクトップなどで遅延が目立つ場合は、VPNだけでなくレンタルWiFiの回線状態も確認が必要です。
レンタルWiFiでVPNに接続する手順
端末からVPNサーバーへ接続する場合は、次の順番で確認します。
- レンタルWiFiの電源を入れ、端末をWi-Fiへ接続します。
- 端末でWebサイトを開き、VPNを使わない状態でインターネットに接続できることを確認します。
- 利用するVPNアプリを起動するか、端末のVPN設定を開きます。
- VPNの接続先、ユーザー名、パスワード、認証コードなどを入力します。
- 接続ボタンを押し、VPNアプリや端末に「接続済み」と表示されることを確認します。
- 会社のシステムやVPNサービスの確認ページなど、目的の通信ができるか確認します。
VPNアプリに接続先の地域やプロトコルを選ぶ機能がある場合は、最初は自動設定または推奨設定を使います。接続できない場合だけ、アプリの案内に従って別のサーバーや通信方式を試します。
VPNに接続できないときの確認方法
接続できない場合は、次の順番で原因を切り分けます。
- レンタルWiFi単体でインターネットに接続できるか確認する
- VPNのユーザー名、パスワード、認証コードの有効性を確認する
- VPNアプリや端末を再起動する
- レンタルWiFiを再起動する
- VPNアプリに別の通信方式や接続先がある場合は変更して試す
- 別の回線、たとえばスマートフォンのモバイル通信でVPN接続できるか試す
- レンタルWiFi事業者またはVPNの管理者へ確認する
別の回線では接続でき、レンタルWiFiだけ接続できない場合は、レンタルWiFiの回線による制限や相性が原因の可能性があります。反対に、どの回線でも接続できない場合は、VPNのアカウント、設定、サーバー側の障害などを確認します。
会社のVPNを使う場合の注意点
会社のVPNへ接続する場合、レンタルWiFiで接続できるかだけでなく、会社の情報セキュリティ規則にも従う必要があります。会社によっては、許可された端末、VPNアプリ、認証方法、接続元の国や地域などを指定しています。
接続できないときにVPN設定を自己判断で変更すると、認証エラーやセキュリティ上の問題につながる可能性があります。会社支給の端末を使っている場合は、情報システム部門や管理者に、使用するレンタルWiFiと表示されたエラー内容を伝えて確認してください。
レンタルWiFiでVPN接続するときの結論
レンタルWiFiは、パソコンやスマートフォンからVPNサーバーへ接続する用途なら、利用できる可能性が高いです。一方、外部からレンタルWiFi側へ接続したり、レンタルWiFiルーターをVPNサーバーにしたりする用途は、グローバルIPアドレスやポート開放の制限によって難しいことがあります。
利用前に、レンタルWiFiの規約、使うVPNの通信方式、会社やサービス側の接続条件を確認してください。接続できない場合は、まず通常のインターネット通信ができるかを確認し、その後にVPNの設定と回線側の制限を切り分けると判断しやすくなります。







